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  • Eriko da Costa

多国籍チームでのネガティブフィードバック

失敗から学ぶ。とあるように、ネガティブフィードバックは、フィードバックを伝える側と受ける側の両方の成長のために重要ですね。特にネガティブフィードバックは、適切なタイミングと環境を選ばないと、相手との深刻な意見の相違を引き起こす可能性があります。また、自分の社会で受け入れられている方法を他の社会でも行うと、効果を得ることが難しいことがあります。したがって、多国籍チームでどんなネガティブフィードバックスタイルが適切かを選ぶ際には、いくつかのポイントを考慮する必要があります。


①自身のネガティブフィードバックスタイルを振り返る:

まず、自分がこれまでどのような方法でフィードバックをしてきたかを振り返りましょう。

例えば、ネガティブフィードバックが必要と思った場合、

・周りに人がいる中でその場ですぐに伝える

・1か月後の人事評価面談を待つ

・コーヒーやランチの場を設定する

・自分の上司へ・部下へフィードバックを依頼する、など。

自身のスタイルを理解し、後述③の他の文化にどのようにして適応できるかを検討しましょう。


②状況の整理と事実の確認:

ネガティブフィードバックを提供する前に、関係者と話をして状況をよく把握し、誤解がないか確認しましょう。不要なネガティブフィードバックを避けるために、状況の詳細を確認し、提供予定のフィードバックが相応しいものか再評価しましょう。

この部分に時間をかけすぎると、お互いに記憶があいまいになってからフィードバックをすることになるので、スピーディーに行いたいですね。


③文化的背景を考慮する


■その組織ではフラットな関係を大切にしているのか、上下関係を大切にしているのかを理解する。

フラットな関係を大切にする文化では、上司と部下がお互いに意見交換や相談を行います(指示を与える・もらうの関係性は薄い)。このような環境で前述の①の例にある、直属の上司とは別の上司からネガティブフィードバックを行うと、そうなった明確な理由を説明でき、納得してもらえない限り、フィードバックをする前に、フィードバックを受ける側から状況に対する不満が出る可能性があります。

フラットな関係を大切にする文化では、自分が行うべきフィードバックは、責任を持って自分で行うほうがよく、もう一つ上の上司など、別の上司にネガティブフィードバックを依頼することになった場合は、最初に自分からフィードバックを受ける人にコミュニケーションをとるか、同席することを検討したほうがよいでしょう。


逆に、上下関係を大切にしている組織で、自分の部下(フィードバックを受ける側からすると同僚)にフィードバックを依頼すると、普段の会話の一部だと考えられて内省、次の行動変容にはつながりにくくなる可能性があります。ネガティブフィードバックを権限移譲するのは珍しいと思う方もいるかもしれませんが、近い間柄の人から話してもらった方が聞き入れてもらえるのではないか、深刻にならないかもしれないと、よかれと思ってフィードバックを部下に依頼する方法をとる人もいます。この方法が全く効果がないというわけではなく、文化的背景を考慮して判断するのが大切です。


個人主義と集団主義


日本は、ヘールト ホフステード博士の文化の6次元モデルにおいて、世界の中ではやや集団主義に位置する国とされています。他の人が叱られている際には、自分自身も叱られていると思って一緒に聞くようにと、家庭や幼少期から幼稚園、保育園、小学校で教えられます。そのため、集団の前でネガティブフィードバックを受けることが珍しくありません


しかし、個人主義寄りの社会で育った人にとっては、ネガティブフィードバックは個人に対して提供されるものであり、そのフィードバックに対して、私がどう考えるか、個人の成長にどんな意味を見出すかが大切なので、周りに人がいる中でネガティブフィードバックをするのは効果的でないばかりか、信頼を失いかねません。

また、個人主義といっても、チーム内での面子を保つという意識が全くないわけではないので、ネガティブフィードバックは特に、人前で行うことは避けたいです。

(相対している人が、個人主義ー集団主義のどちらの傾向があるかは国としての傾向をそのままステレオタイプで当てはめるのではなく、見極めが必要です。または、アセスメントで知ることができます。)


今日は3つのステップで多国籍チームでのネガティブフィードバックの方法を考えてみました。その組織が大切にしているやり方・フィードバックを受ける人の文化的背景の両方を少し時間をとって配慮することで、フィードバックの内容が伝わりやすくなります。


最後までお読みくださりありがとうございました。


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